相続登記Q&A

  相続登記が義務化されると、元の所有者が亡くなったことと、自分がその不動産を受け継いだことを知ったときから3年以内に相続登記を行わないと、10万円以下の過料が課せられる可能性があります(正当な理由がある場合を除く)。
  なお、相続人である旨の申し出(相続人申告登記)を法務局に行うと上記の義務はなくなりますが、土地の相続についての話し合い(遺産分割)が完了したときは、改めて相続登記を行う必要があります。

  亡くなった方の配偶者(妻・夫)と子どもは常に相続人になります。子どもがいない場合には亡くなった方の親がなります。
  その際、親が先に亡くなっている場合は、祖父母が、祖父母もなくなっている場合は亡くなった方の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合はその子)も配偶者とともに相続人になります。

  亡くなられた方と疎遠だったなどの事情で相続をしたくない場合は、相続を放棄することができます。相続放棄は原則として自分が相続人であることを知ったときから3カ月以内に裁判所に申し出る必要がありますので、期間制限に注意が必要です。

遺言書がない場合、相続人全員で相続財産の分け方について話し合いを行わなければいけませんが(遺産分割)、行方不明の相続人や、配分に納得しない相続人がいるととても時間も労力もかかり大変です。
遺言書があれば残された相続人はスムーズに相続手続を行えるほか、亡くなられたご本人のご希望もかなえられますので、ぜひ遺言書を作成されることをお勧めします。

遺言書が亡くなられた方が自分で書いて法務局以外の場所で保管されていた遺言書(自筆証書遺言)であれば裁判所の検認という手続が必要ですので、開封せずに裁判所に提出します。
公正証書遺言や法務局で保管されていた遺言書の場合は、この手続は必要ありませんので、そのまま相続手続を行います。

  登記や預貯金の解約等の相続手続においては、通常亡くなられた方と相続人の方の戸籍をそろえる必要がありますが、各金融機関などで手続を行う度に毎回準備して確認するのは大変です。そこで、法務局に戸籍一式と申請書を提出すると、法務局より、誰が法律上の相続人かを証明する書面(法定相続証明情報一覧図)が公布されることになりました。これを法定相続証明情報制度と言います。
  法定相続証明情報一覧図は戸籍の代わりに様々な相続手続に使えます。

  不動産の場合は、市町村で不動産の一覧表(名寄台帳)を保管していますので、不動産のある市町村にこの一覧表の取り寄せ請求を行います。一覧表によって所在が判明したら、法務局で、登記事項証明書を取得します。
  銀行の貯金などは通帳をもとに調べることが多いですが、インターネットバンキングなどで通帳が存在しない場合もありますので、その地域の主な銀行や信用金庫、郵便局などに預貯金が存在するかどうか照会をかけると口座の有無が判明します。
 なお、不動産の一覧表については現在市町村ごとですが、将来的には全国の分を取り寄せることができるようになる予定です。